事業を始めた際に提出すべき、税金に関する届出や申請(以下、「届出や申請」のこと「届出等」と言う、以下同じ)には様々なものがあります。
届出等によっては期限があったり、その届出等をしておかないと、思わぬ事態(損をする、税務上認めてもらえない事態)に陥ってしまう場合もあります。
個人も法人も行う届出等は概ね同じですが、ここでは、個人の場合を例にして、届出等を行うことが必修であるものと、場合に応じて届出等を行う必要があるものに分けて解説いたします。
主な届出等の一覧
下表は、個人の方が事業を新たに始めた時に提出する主な届出等の一覧となります。必ず提出しなければならないもの(必修届出等)は2つあり、それ以外は、場合に応じて届出等を行う必要があるものとなります。
必修届出等
必修届出等は、二つあります。所得税に関係する「個人事業の改廃業届出書」と地方税に関係する「事業開始等」の二つです。
個人事業の改廃業届出書(所得税)
これは、税務署に提出するものであり、正確には、「個人事業の開業・廃業等届出書」(リンク先は国税庁HP)といいます。
事業開始等(地方税)
これは、県税事務所に提出するものであり、地方によって名称や様式がことなります。福岡県の場合は、「個人事業税に係る開業等報告書」といいます。
場合に応じて行う必要がある届出等
場合に応じて行う必要がある届出等については、様々なものがありますので、主たるもののみご説明します。
「所得税の青色申告承認申請書」
この「所得税の青色申告承認申請書」は、青色申告書を提出するために必要な申請書となります。
(参考)
「青色事業専従者給与に関する届出書」
この「青色事業専従者給与に関する届出書」は、事業専従者に対して支払った給与賃金等を必要な経費に入れるために必要な届出書となります。
「給与等支払事務所等を開設した場合の届出」
この「給与等支払事務所等を開設した場合の届出」は、個人が従業員を雇用し、その雇用した従業員に給与賃金等を支払うこととなった場合に提出する届出となります。よって、もし、1人で事業を行い、給与賃金等を支払うことがない場合には提出する必要がありません。
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」
従業員を雇い、その従業員に給与等を支給する場合、ある一定の方法により徴収した源泉所得税を毎月その支給する給与賃金等から徴収し、毎月国に納付しなければなりません。ただ、毎月納付するのは事務的に大変なので、ある一定の要件に該当する事業者がこの「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し承認をうけることにより、納付が年2回(7月と12月)になります。
「減価償却資産の償却方法の選定をする場合の届出」「棚卸資産の評価方法の選定をする場合の届出」
これらの届出は、減価償却資産の償却方法や棚卸資産の評価方法につき、法定された方法と異なる方法を選択して所得の計算をしたい場合に、提出する届出となります。
「消費税課税事業者選択届出書」
もし、新規開業第1期目に大きな設備投資をした場合、消費税が還付になる可能性があります。第1期目は通常免税事業者に該当するため、消費税は還付されません。還付を受けるためには、この「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者になる必要があります。
おわりに
以上、簡単ではございますが、個人の方が新規に事業を始めた際に提出すべき届出等をご提出いたしました。
各種届出のひな形は、国税庁のHPに見本とともにダウンロードが可能です。この届出等は出さないといかないのか?出しておくべきか?出さないほうが良いか?など、何かございましたら、お気軽にご相談ください。
ZOOMやgoogle meetでも対応いたします。
(初回、相談料無料です。)
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