経営分析とは、なんなんですか?必要ですか?と聞かれることがあります。
ここでは、経営分析の必要性について、簡単にお話したいと思います。
経営分析は、健康診断に相当するもの
経営分析とは、健康診断に相当するものです。経営分析が健康診断に相当するものなら必要なのかな?という気になりますね。
健康診断の目的は、将来への意思決定を行うための資料を得ること
では、なぜ私たちは健康診断を受診するのでしょうか?
それは、健康な状態で日常生活を過ごすためですね。しかし、健康な日常生活を過ごすためには、健康診断を受けるだけでは意味がなく、健康診断の結果を受けて、ウォーキングを始めたり、飲酒を減らしたり、脂っこいものから野菜中心の食事に変更するなどして、健康な状態を維持するため、または健康な状態に改善するための意思決定を行います。
つまり、健康診断の目的は、今後、健康な状態で日常生活を過ごすための意思決定を行うための資料を得ることです。
経営分析も、将来への意思決定を行うための資料を得ること
経営分析も同様です。
日々行った取引の記帳や決算作業に基づき貸借対照表や損益計算書が作成されます。
損益計算書では、「今年いくら売上があったか?」「いくら利益が出たか?」などの事業活動の結果を数値を把握することは出来ますが、将来の事業活動の意思決定をするための資料としては物足りないものがあります。
貸借対照表は、決算日(その日一日)時点での資産や負債の状況を示しただけにすぎず、貸借対照表の数字は大事ですが、貸借対照表に羅列してある数値のみで将来の意思決定をするのは困難です。
そこで、損益計算書と貸借対照表の両者の数値を用いて、経営分析(事業活動の健康診断)を行い、将来の事業活動の意思決定に役に立つ資料を作成していきます。
財務分析(定量分析)と非財務分析(定性分析)
なお、損益計算書や貸借対照表を用いて行われる経営分析のことを財務分析(定量分析)と言い、損益計算書や貸借対照表を用いずに行う経営分析のことと非財務分析(定性分析)と言います。
非財務分析の例としては人事が挙げられます。販売能力がある人は、営業部に配置した方が売上増加に貢献できますし、簿記の知識がある人は経理に配置した方が事業に貢献できます。従業員の方の、適正を見て、その適正にあった部門に配置しているかどうかを分析し、将来の事業の効率的な成長のため、人事を適正化させます。
経営分析を行う際には、財務分析(定量分析)のみならず、非財務分析(定性分析)も用いて双方の面から事業活動の意思決定を行うとより効率的に事業は発展していくものと考えられます。
おわりに
経営分析の必要性については、なんとなくお分かり頂けたことと思います。経営分析して、数値に基づいて意思決定をしても必ずしもうまくいくとは限りません。でも、客観的な数値に基づく意思決定なら、失敗したときの理由も客観的に得られると思います。
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