申告期限に注意!節税効果を得られる青色申告をするための承認申請について

所得税の青色申告承認申請書

 青色申告特別控除や、青色欠損金の繰越控除など所得税法上の特典を受ける場合には、青色の申告書を提出する必要があります。青色の申告書を提出するにあたっては、納税地の所轄税務署長の承認を受ける必要があり、その承認を受けるために提出する書類を「所得税の青色申告承認申請書」と言います。

 もし、青色申告の承認を受ける必要のない方=白色申告をしようとする方は提出する必要はありません。「所得税の青色申告承認申請書」の提出は任意ということになります。

 なお、青色申告書は、不動産所得、事業所得、山林所得が生じる事業を行う事業者が提出できる申告書であり、それ以外の所得については、青色申告書の提出はできません。(所得税法第143条「青色申告」)(所得税法第144条「青色申告の承認申請」)

提出期限

 「青色申告の承認申請書」は提出期限があり、その提出期限を過ぎた場合には、その年分については、青色申告ができません。つまり、所得税法上の特典を受けることができなくなります。そこで、まず重要な提出期限のお話から先にいたします。

原則

 「青色申告承認申請書」の提出期限ついて、国税庁のHPを見ると「青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで」と記載してあります。

 例えば、令和6年3月15日期限の所得税の確定申告について青色申告をするための申請書の提出期限は、令和5年3月15日となります。令和5年1月1日から令和5年12月31日までの期間の所得について申告をするのは令和6年となるため、青色申告の承認申請書の提出期限は、令和6年3月15日と読みとれそうですが、違いますので、ご注意ください。

新規開業など年の途中で事業を開始した場合

 年の中途に事業を開始した場合の「青色申告承認申請書」の提出期限は、その事業開始等の日から2月以内となります。ただし、その2月以内の日が3月15日前の場合には、上記原則の期限である3月15日となります。

 なお、青色申告の承認を受けていた被相続人の事業を相続により承継した場合の提出期限は、亡くなった方の死亡の日に応じて、次のように提出期限が異なります。
・その死亡の日がその年の1/1から8/31までの場合:死亡の日から4か月以内
・その死亡の日がその年の9/1から10/31までの場合:その年の12月31日まで
・その死亡の日がその年の11/1から12/31までの場合:その年の翌年の2月15日まで

青色申告の承認または却下の通知

承認又は却下の通知

 「青色申告承認申請書」のような税務署に提出する「〇〇申請書」は、原則として税務署より、承認又か却下の通知があります。しかし、「青色申告の承認申請書」については、ある一定の日までに通知がない場合には、承認されたものみなされます。
(所得税法146条「青色申告の承認等の通知」)(所得税法147条「青色申告の承認があったものとみなす場合」)

控えを保存しておきましょう

 「青色申告の承認申請書」を提出する際には、必ず提出する書類のほか、もう一部同じものを持参し、受付にて受付印をもらうようにしておきましょう。

節税効果のある青色申告の特典

 青色申告には諸々の特典があります。一つ例を挙げると「青色申告特別控除」。

 通常、税金の計算の元となる事業の所得は、収入金額から必要な経費を控除した金額になります。例えば、1年間の売上500万円で、その売上を上げるための経費が300万円だったとした。この場合、税金の計算の元となる事業の所得は、200万円(500万-300万)となります。青色申告をしていれば、ここから更に55万円(ある一定の場合は、65万円or10万円)を事業の所得から控除することが出来、青色申告特別控除の金額分、税金を減らすことが可能となります。

 ”節税”を行う場合には、支出を伴い過度な節税は、資金繰りの悪化を招く恐れがありますが、青色申告特別控除は支出を伴わない節税となり、活用しなければもったいないです。

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 なお、青色申告をするためには、一定の基準を満たす会計処理及び帳簿の作成が必要となります。また、青色申告特別控除は、個人の事業所得に対する得点で、法人にはありません。

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