成長性分析は、企業の売上高や規模などが過去と比較してどのくらい成長したか?を分析するものです
2つの側面からみる成長性
成長性分析においては、損益計算書に着目した成長性分析と、貸借対照表に着目した成長性分析があります。
損益計算書分析
大きなカテゴリーで分析
損益計算書の各勘定科目ではなく、大きなカテゴリー(「売上」、「売上総利益」、「営業利益」、「経常利益」、「税引き前当期純利益」、「当期純利益」)の各数値に着目し、過去と比較して、どのように変化したか分析します。
特にチェックしたい事項
特に「売上」と経常的な利益である「経常利益」の過去との比較は重要で、状況により次のようなことが言えます。
売上UP-経常利益UP>売上高と利益が順調に拡大
売上DOWN-経常利益UP>売上が伸び悩むも、経営の効率化により利益拡大
売上DOWN-経常利益DOWN>販売不振で売上も利益も減少
売上UP-経常利益DOWN>売上拡大もコスト増が利益を圧迫
貸借対照表分析
おおきなカテゴリーで分析
損益計算書分析同様、貸借対照表の各勘定科目ではなく、大きなカテゴリーの各数値に着目し、過去と比較して、どのように変化したか分析します。
特にチェックしたい事項(総資本増減率、自己資本増減率、負債増減率)
・総資本増減率
前期の資本に対して当期の資本がどのくらい増減したかを示す割合で、前期と比較して資本が多くなっているほど、総資本の側面では、その企業が成長していることとなります。
総資本増加率={(当期末総資本-前期末総資本)÷前期末総資本}×100
・自己資本増減率
なお、総資本は、負債と純資産の合計額ですので、総資本の合計が、自己資本の増加によるものなのか、それとも借入等負債の増加によるものなのかは、チェックしておく必要があります。
自己資本増減率(負債増減率)={(当期末-前期末)÷前期末}×100
※かならずしも借入の増加が悪いとは限りません。
企業の成長期など戦略的に借入を増やし、投資等を行っている場合もあると思います。その場合は、利益率と、利率の関係から借入に関する分析を行います。
・借入金利息の利率よりも事業利益率の方が高いケース
成長分野(市場)で今後も拡大が見込まれる場合、キャッシュフローに問題がなければ、借入をしてでも事業を拡大した方が有利になるケースがあり、その場合には、負債増減率の増加は経済的に合理的と言える場合があります。
・借入金利息の利率よりも事業利益率が低いケース
負債増減率はマイナス傾向にある方が良しとされます。
まとめ
最後に、成長性分析の全体像を以下にお示しします。
成長性分析は、過去との比較のほか、同業他所との比較も有効です。
コメント